大阪を拠点に幅広い放送コンテンツを展開し、多様な視聴者層から支持を集めている朝日放送テレビは、これまで数々の名作ドラマ、報道番組、そしてエンターテイメント番組を送り出してきた。その積み重ねられた映像制作のノウハウを基に、新たな時代のニーズに応えるべく、IP 伝送の活用による新たな取り組みを開始している。 NDI 準拠の AV over-IP に関連する多くの製品とシステムを保有する同社だが、本稿では、セルラーボンディング・ビデオエンコーダー『Kiloview P2』を中心に、Kiloview 製品の活用事例を紹介する。IP ベースの映像伝送テクノロジーを駆使したこれら製品によって、朝日放送テレビはよりスムーズで効率的な映像制作を実現し、視聴者に新たな体験価値を届けている。

関連情報

Kiloview 社は、中国湖南省長沙市に本社を置く、IP ベース・ビデオ伝送デバイスを開発・製造するソリューションプロバイダーです。2010 年に設立された Kiloview 社は、ビデオのエンコード / デコード、コンバージョン、IP ベースのビデオスイッチングやストリーミングなど、広範囲に渡る製品を提供しています。

導入製品
Kiloview P1/P2
Kiloview N3
Kiloview E1-NDI
Kiloview D300
NETGEAR M4250 シリーズ
BirdDog 4K HDMI

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Kiloview 製品を使った
最新活用事例

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朝日放送テレビが選んだ NDI ソリューションプロバイダ 「Kiloview」

朝日放送テレビが選んだ NDI ソリューションプロバイダ 「Kiloview」

朝日放送テレビ

IP ベースの映像伝送をさらに進化させた NDI 準拠のIP制作ワークフロー

放送業界の IP 化とリモートワークへの挑戦

放送業界の IP 化とリモートワークへの挑戦

放送業界では近年、番組制作設備の IP 化とそれを活用した効率的なワークフローの導入が求められている。さらに、リモートワークの普及により、複数の拠点との連携が求められる放送局や企業は映像制作におけるリモート環境の構築を必要としている。

放送業界や大規模なライブイベントプロダクションでは、映画テレビ技術者協会 (SMPTE) が策定した、プロ向けの映像と音声の IP ネットワーク伝送規格である SMPTE ST 2110 が広く浸透しているが、並行して NDI を利用してコンテンツの価値を高めるべく朝日放送テレビでは、取り組みを進めている。

選定理由:コストパフォーマンスと機能性の調和

朝日放送テレビでは、ロケ現場からの IP 映像伝送デバイスとして、Kiloview のセルラーボンディング・ビデオエンコーダー『P2』を導入している。

当初 P2 は「おはよう朝日です」の中継コーナーにおいて、3 台のカメラのうち 1 台に用いられていた。出演者に GoPro などのアクションカメラを取り付け、目線カメラとして活用した際の映像伝送に使用していたのである。最近では、地上波番組「朝だ!生です旅サラダ」の中継コーナーにおいて、出演者が撮影し生放送する企画で、そのカメラの IP 伝送に用いられるなど、その活用範囲は広がりを見せている。

コストパフォーマンスと機能性の調和

朝日放送テレビ 技術局制作技術部員の山下 真由氏 (以下、山下氏) は次のように述べている。

「P2 はコンパクトなエンコーダーなので、ポシェットの中に製品本体を入れて出演者自身に持ってもらったり、カメラからケーブルを伸ばして近くのテーブルに置いて使用したりしています。」

他社の同様の製品を所有している 朝日放送テレビの制作技術部が、なぜ P2 を追加導入したのか。その理由は、その総合的なコストパフォーマンスと、コンパクトな筐体による機動性、そして独自のボンディングプラットフォーム Kilolink を通じて、社内外の様々な環境での使用が可能であるという点にある。

山下氏はまた、

「現場関係者からも『電源を入れるだけで IP 伝送が可能なので非常に簡単』、『P2 から 朝日放送テレビの クラウド (AWS) 上にある KiloLink に IP 伝送すれば、そこから SRT で何系統も出せるので、現場でも自分が送っている映像を受信して確認できるのが非常に便利』という声を頂いています。」

と述べている。

Kiloview 製品の導入により、遠隔地からの映像伝送が容易になり、生放送におけるフットワークの軽さを実現している。

システム構成と製品の多面的な活用

P2 は主に中継先からの映像伝送用途で採用しているが、それ以外にも局内で Kiloview 製品は幅広く活用されている。例えば、NDI ビデオエンコーダー / デコーダー『N3』は複数台をラックマウントシャーシに装着し、NDI⇔SDI 双方向の変換が可能なビデオ変換機として、配信サブに組み込まれている。

システム構成と製品の多面的な活用

中継先からの IP 映像を放送用の SDI / HDMI ビデオにするために 4K H.265 デコーダー『D300』も導入されており、Kiloview 製品が放送局全体の IP 映像伝送システムの最適化に貢献している。

また、朝日放送テレビでは Kiloview 製品をリモート編集用途にも活用している。大阪市福島区にある朝日放送テレビ本社の編集機のビデオ/オーディオ出力を、専用のネットワーク回線を通じて東京支社との間で繋げ、NDI / NDI HX による IP 映像伝送を実現している。

リモート編集への取り組みや AV over-IP プロジェクトを担当している 朝日放送テレビ 技術局 制作技術部 マネージャー兼 技術戦略部の寺田 果生氏 (以下、寺田氏) は次のように述べている。

「東京支社側にも D300 があるので、本社からの IP 映像をデコードして SDI / HDMI 出力で東京支社のモニターに映しています。これにより、ディレクターや制作陣は東京支社、編集マンは大阪本社の場合でもリモート編集・チェック環境ができるので、編集後の映像 / 音声を確認するために東京へ行くことがなくなってきています。」

これらの製品群は、映像伝送だけでなく、記録や配信といった他の映像制作ワークフローでも活用されている。朝日放送テレビでは SMPTE ST 2110 を始めとする様々な AV over-IP 規格を利用しているが、NDI を活用した IP ビデオ伝送のシステム構成は、これら Kiloview 製品を中心に組み上げられている。

ユーザーの言葉に見る Kiloview 製品の効果

ユーザーの言葉に見る Kiloview 製品の効果(写真左から朝日放送テレビ 寺田 果生氏、伊田 俊基氏、山下 真由氏)

それぞれの立場から見た Kiloview 製品の魅力を、朝日放送テレビのメンバーから伺った。

業務用機器を管理している山下氏は、

「スポーツの編集フローは、現地での素材収録後、素材を汎用的なクラウドストレージにアップロードし、それを本社でダウンロードするという方法が一般的です。P1 / P2 は価格も手頃なので、ファイル伝送から IP ストリーム伝送に変更し、よりリアムタイム性の高いフローに切り替える方針です。」

と、現場からの視点で製品の効果を評価している。スポーツの現場では、いくつかの班・場所に分かれて現地取材を行うため、クラウド経由で収録できるメリットは大きい。

朝日放送テレビ 技術局 制作技術部兼技術局員の伊田 俊基氏 (以下、伊田氏) は、Kiloview の 4K HDMI → NDI / NDI HX エンコーダー『U40』について言及している。

「U40 は、デジタルビデオカメラに簡単にマウントでき、NDI に対応していないカメラを NDI 化できるので、様々なカメラに付けて便利に使っています。タリーやインカム機能も便利で、外部電源を必要としない PoE で動作するのが便利ですね。U40 は異なる IP プロトコル間の変換も可能なため、SRT → NDI HX コンバーターとしても活用しています。」

伊田氏は、放送設備の構築・保守と新しい技術の開発の業務及び運用を担当している。そのため、Kiloview 以外の製品にも詳しく、それらの違いについても言及している。

「Kiloview 製品の魅力は、使いやすい操作画面と多機能性です。他社の製品に比べても、直感的な操作が可能であり、必要な機能もほとんど網羅されている。おそらく、世界中のユーザーの声が反映されているのだと思います。」

と述べ、Kiloview製品の使いやすさと多機能性を評価している。

Kiloview製品との新たな可能性

朝日放送テレビでは、Kiloview の製品を活用した次世代の映像制作ワークフローの構築に積極的に取り組んでいる。例えば、Kiloview のエンコーダー / デコーダーの中にはインターカム機能を備えているものが多いが、それらを活用することでネットワーク経由でのスタッフ間のコミュニケーションが可能となる。

Kiloviewの製品群の魅力の1つは、1つのメーカーで IP ベースのワークフロー全体をカバーできる幅広さである。これにより、放送局のワークフローを一元的に管理し、効率的な運用の実現が可能となる。

朝日放送テレビは、Kiloview E1-NDI の導入をきっかけに約 3 年前から NDI の活用を始めた。局内では BirdDog など他の NDI 製品や、NETGEAR M4250 シリーズ製品といった AV over-IP に適したネットワーク周辺機器も導入している。朝日放送テレビのような放送局や企業にとって、映像伝送の IP 化とクラウドを活用した映像制作ワークフローの導入は、効率性と柔軟性の向上につながる重要な取り組みである。SMPTE ST 2110 だけでなく、NDI や SRT など、さまざまな IP 映像規格を活用し、用途に応じた柔軟な映像制作のワークフロー構築が求められている。朝日放送テレビの取り組みは、映像制作の新たな可能性を拓く一方で、生産性の向上という具体的な成果をもたらしていることを確認することができる。

NDI

NDI (Network Device Interface) は、映像制作における革新的な技術の一つで、エンコードされた映像と音声を高品質でリアルタイムにIPネットワーク上で伝送するための技術です。これにより、映像制作環境が大きく進化し、従来の映像ケーブルを使用する必要がなくなりました。これは、映像制作現場での複雑な配線作業を減らし、設定や操作を簡易化することで、映像制作の効率化に大いに貢献しています。

NDI HX

NDI HX (High Efficiency) は、NDIの高圧縮版で、映像と音声をより低い帯域幅で伝送することが可能です。より多くの映像ソースを一つのネットワークに統合でき、さらに効率的な映像制作が可能となります。NDI / NDI HXは、映像制作現場のワークフローを大きく改善し、新たなクリエイティブな可能性を切り拓いています。

取材協力

朝日放送テレビ株式会社TV

販売元

asuhirac

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