注目の VFX スタジオ、VLS が目指す未来 - 代表取締役社長 田中 正氏

注目の VFX スタジオ、VLS が目指す未来 - 代表取締役社長 田中 正氏

── VLS での役職とこれまでの経歴を教えてください。

VLS 代表取締役社長の田中です。映画会社の日活で、十数年にわたり映画のプロデューサーとして活動してきました。その中で多くの VFX 、CG 合成を用いた作品に携わってきました。そのプロデューサーという仕事が私の基盤を築いていると思います。

── VLS が設立された経緯を教えてください。

VLS は、2020 年に映画会社の日活、CG プロダクションのデジタル・フロンティア、CM 制作会社の AOI TYO Holdings の 3 社によって設立されました。当初は日活が主導し、より魅力的な映像制作のための新しい技術を模索しており、ざっくりとしたアイデアとして「バーチャルプロダクション」にアプローチしたいと話が出ました。

以前からデジタル・フロンティアとは多くの作品を一緒に制作していたので、日活とデジタル・フロンティアのタッグでバーチャルプロダクションを活用した作品に取り組むことを考えていました。そんな中で出会ったのが、Zero Density 社のリアルタイム合成システム Reality です。

「 Reality のような面白く斬新な技術を CM 制作に取り入れてみてはどうか」と AOI TYO Holdings に提案すると、「とても興味があります。ぜひ最新技術を一緒に研究・開発しましょう」との返答があり、この 3 社で VLS を立ち上げることになりました。

── これまでは映画のプロデューサーとして活動されていたとのことなので、ポストプロダクションのパートに多く関わっていらっしゃったかと思います。バーチャルプロダクションの場合はリアルタイム合成が特徴ですが、どのような判断で制作スタイルの移行を決められたのでしょうか ? バーチャルプロダクションの長所だと感じる点があれば教えてください。

VLS は世界で Reality を使っている他の会社さんとは、おそらく最初から使う目的が違うだろうと思っています。VLS が Reality を採用した理由には 2 つの要素があります。

まずは映画や CM 制作において、リアルタイムでの合成が可能なため、その場で完パケ ( 完成させる ) できる点が挙げられます。

もう 1 つの目的は “オンセット・ビジュアライゼーション ( 以下、オンセットビズ )" です。VLS では既にこの技術を実際の作品制作に活用していますが、より高精度な Reality を使用し、撮影中にリアルタイムで合成を確認することができます。このオンセットビズの活用例はまだ日本では少ないと考えられます。早期にこの技術を導入することで、よりクリエイティブな映像を撮影するだけでなく、撮影データを活用してプロダクションでの作業効率を向上させることができます。

── この 2 年間で一緒に作品づくりを行なったお客様や、プロダクションを教えてください。

オンセットビズを使った CM 撮影、歌やダンスなどのエンターテイメントを中心としたオンラインイベントの開催、企業のプレゼンテーションなどの作品づくりに携わることができています。最近だとデジタル庁の配信イベントもこのスタジオで行いました。

── VLS は日本でもかなりユニークなソリューションを提案されているかと思いますが、今後バーチャルプロダクション / スタジオの市場はどのように発展していくと思いますか ?

当社は 2020 年にこのグリーンバックスタジオを設立し、Reality を導入しました。初期の段階では、Reality のシステムやグリーンバックを常設したスタジオを利用したいという顧客はまだ少なかったです。しかし、現在では多くのお客様がこのスタジオを活用しています。

日本にはまだ Reality の存在を知らない人が多くいます。これらの人々が当社のスタジオを利用することで、Reality の可能性や新たな知識を得ることができます。また、グリーンバックだけでなく、Reality の技術にも関心を持つ人々が増えていると感じています。

事前に CG の制作が必要など、従来とは異なる撮影・制作フローには、まだ対応できない場合もありますが、少しずつ移行が進んでいると感じています。

LED パネルを使用したバーチャルプロダクションも増えています。最近の CM 制作でも、メインのパートは弊社スタジオで Reality を使いながら撮影をして、他のパートは別のスタジオで LED パネルを使用して撮影したケースがありました。将来的には、日本でもバーチャルプロダクションおよび Reality を活用した作品制作がさらに増えていくと考えています。

── VLS のデモリールを通じて、その高い品質に感銘を受けた世界中のお客様から、VLS との共同作業についての問い合わせが Zero Density メーカー本国に数多く届いています。将来的には日本だけでなく海外でも VLS の存在を知らせ、海外企業とのコラボレーションを進める予定はありますか ?

VLS は海外のチームとの展開を積極的に考えています。2020 年に Reality を導入した当初は、まだ自社でこのシステムを完全に理解していない部分もありました。今でもこの技術の深さを完全に把握しているわけではありませんが、自分たちにできることが明確になってきました。これからは当社のソリューションを積極的に展開し、日本国内だけでなく世界に向けてプロジェクトを展開することを考えています。

── 最後に今後の展望について、一言メッセージをお願いします。

冒頭でもお話しましたが、VLS は映画会社の日活、CG プロダクションのデジタル・フロンティア、CM 制作会社の AOI TYO Holdings この 3 社で設立しました。日活は設立約110年の歴史を持つ日本で最も古い映画会社であり、このスタジオ自体も70年の伝統を誇ります。デジタル・フロンティアは日本でもトップクラスの CG 制作チームであり、AOI TYO Holdings は日本最大の CM 制作グループです。VLS はそのスタッフおよび技術を活かし、これまで作品づくりに取り組んできました。

世界の制作チームと一緒にプロジェクトに取り組む場合でも、弊社のスタッフは十分な技術を持っており、期待に応えることができると思いますので、ご連絡をお待ちしております。

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